平成21年度都立日比谷高等学校自校作成問題(都立日比谷高等学校作成)第4問

空間図形の問題です。立体をしっかりイメージできるか、どの辺とどの面が垂直になっているかしっかり読み取れるかが鍵になります。
それでは問1から見ていきましょう。

この手の問題は定石があります。立体のまま最短距離を考えるのは、難しいですよね。なので展開図で考えます。展開図で考えれば最短距離=直線(まっすぐ)ですからね。解答の頂点の文字をよく見てどのように展開しているか、しっかり意識して下さい。
点Qが長方形KBGJの対角線の交点であることが見抜ければすぐにDQ:QC=3:9=1:3と出せますし、解答のように三角形の相似を考えてAPなどを求めても、それほど時間をかけずに答えに辿り着けるでしょう。
参考までに最短距離を直線で考える例を2つ挙げておきます。
上の図は点Aから一度直線で跳ね返って点Bまで行くときの最短距離。下の図は直方体の面沿いにある頂点からある頂点まで行くときの最短距離です。

では次に問2です。

まずはこの四面体がしっかり描けて認識できるか。そこが問題です。空間図形が苦手な方はまず絵をたくさん描いてみましょう。立方体、直方体、三角錐、円錐などよく出てくる立体の見取り図をたくさん描いてみる。そうすることで立体のイメージ力もついてくると思います。
問題を一通り読んで線を引いてみると、点BとKを結んだ線が足りないのがわかると思います。なので自分で書き足してから考え始めましょう。問題としてはよく見るパターンの問題で「立体の高さを求める。その為に底面を、体積がすぐに求められる他の面に置き換えて考える。」というものです。
立体をB-KEJと見れば高さはABの6cmとなる(面KEIJと面AEFBは垂直)ので、すぐに体積が求められますね。問題は△BJEの面積です。この問題はここが一番難しいでしょう。
解答にはわかりやすくなるように△BJEだけ取り出しました。そしてすぐにわかる辺の長さや点DがJEの中点になっていることを記しておきます。JEやDEは1:1:√2の比を使って簡単に出せたと思いますが、BEも2:1:√5という比で簡単に求められます。
2:1:√3と混同しやすいので全ての生徒に教える訳ではありませんが、直角三角形の斜辺以外の2辺の比が2:1になっている時、斜辺は比でいうと√5になっています。この他にも3:4:5や5:12:13など余裕があったら覚えておくといいと思います。
BEやJE、DEがわかった時点でBDもBEと同じ長さだなと気付ければ、大したものです。二等辺三角形なら頂点から底辺に下ろした垂線は底辺を二等分するので、解答のように高さが求められ正解へぐっと近づきます。
学校発表の解答もこのすすめ方をしていますが、ではこの二等辺三角形に気付かなかったら、この問題は絶対に解けないのか、そんなことはありません。ちょっと面倒な計算になりますが、BDの存在に気付かずにBJの長さを求めたとしても△BJEの面積は求められます。
参考までにその場合の解き方を紹介しておきます。

途中の√の中の( )内が空欄になっているのは上の式の( )と同じ内容だからです。答案に書くときはやってはいけませんが、自分が計算するときはこういう省略をして時間を稼ぎます。また、45×72や18×18も最後まで計算せずに因数に9が二つ含まれていることを利用して簡単に引き算をしています。
√を含む乗法公式や4次の方程式が一時的に出てきますが、最終的には簡単な2次方程式になりました。日比谷を目指す生徒ならこれくらいの計算はこなせるのではないでしょうか。△BJEの面積さえ求められれば、あとは同じ解き方です。大事なのは答えに辿り着くこと。スマートでなくてもいいんですよ。(テストなので時間はあまりかけられませんが。)
それでは、最後に問3です。

さて、問2より見づらい立体が出てきました。ちゃんと認識できますか。ぱっと見ただけでもKから底面に下ろした垂線の長さ(高さ)は求めにくそうですね。なので他の方法を考えていきます。
底面が平行四辺形であること、正方形KEIJの面と直方体の6cmの辺が垂直になっていることに気付けば解答のような流れも理解できると思います。
この「気付く」とか「見抜く」というのはやはり経験がものを言います。問題を解くというのももちろん大事ですが、家にあるサイコロなどを眺めてイメージするというのもいい経験になると思います。
最後に式の( )の部分は三角形の面積ですが、△KDJは正方形の1/4の大きさなのでこのように書きました。対角線が6√2でその半分の3√2×3√2×1/2とやってももちろん大丈夫ですが、頭を柔らかくしてみれば簡単にわかりますよね。
特に難問を解いているときは、問題にのめり込んでしまって視野がせまくなりがちです。一度、深呼吸をして問題を見直すと突然何かに気付くなんてこともありますよ。
<総評>レベルは高いですが、変なクセのない良問ではないでしょうか。最後の問題なので、どれだけ時間を残して辿り着けるかにもよりますが、焦らず解きたいですね。