平成21年度都立日比谷高等学校自校作成問題(都立日比谷高等学校作成)第3問

関数と図形の複合問題です。第2問に引き続き証明問題もありますね。「平行であることの証明」というのも出題頻度はやや低いでしょうか。また問3は計算ミスが多く出そうですね。
それでは問1から見ていきましょう。

この四角形ABDCは台形です。平行四辺形ではないですよ。日比谷を目指すような生徒にはあまりいませんが、「この辺とこの辺は同じ長さだろう」とか「ここは垂直だろう」と何の根拠も無く図の見た目だけで判断する生徒がたまにいます。これは非常に危険なことなので気をつけましょう。
台形であることをしっかり意識できていれば、ただの計算問題ですね。これはしっかり取りたい問題です。なお、平方根を求める際は基本的に±を考えるようにいつも指導していますが、この問題に関しては正の数に限定しています。
では続いて問2です。

図を一部取り出して見やすくしてみました。方針としては「2点E,FがQAとQBを同じ比に分ける」ということを示して平行の証明としたいです。そのために三角形の相似を二組証明したりとなかなかのボリュームになるので簡潔に書くということにも注意して解答を見てください。
なお、これもたまに勘違いしている生徒がいますが、「錯角」とか「同位角」というのは角同士の位置関係であり錯角なら何でも等しいわけではありません。等しくなるのは「平行線の錯角」です。細かいことですが大事ですよ。
最後に問3です。

これは面倒な問題ですね。解答を順に説明していきます。まず点Aの座標を求めて、点CとDの座標を文字で置くところまではいいでしょう。aの値の範囲にも気をつけて下さい。こういうのは高校以降の数学では特に重要ですよ。次に2直線の式を立ててますが、傾きは「yの増加量/xの増加量」で求めています。
この式はどちらも分数の中にさらに分数があって見た目はよくないですが、これを毎回きれいに整理していたら時間がいくらあっても足りません。面倒な計算はなるべく後回しにすると、いつの間にかその面倒な計算をやらずに済むことが多々あるので、こういう時は後回しにしてすすめます。
どちらの式も傾きの分子の部分が同じ式であることに注目すれば①のような式の形にしておくことの意味がわかると思います。なるべく手早く計算することを心掛けるのです。これでaの2次方程式まで辿り着ければ、あとは簡単ですが計算ミスにはくれぐれも気をつけましょう。
この問題、点Rのx座標をaとおいて解けないか考えてみましたが、計算が複雑になりすぎて難しそうでした。解答に示した方法以外にもっとスマートな方法がありそうな気もするので、時間があれば考えてみたいと思います。いい方法が見つかったらまたアップしますね。
<総評>問3がやはり面倒ですね。これは時間がなければ飛ばしてもいいかも知れません。前回解説した第2問がやや難易度が低かったとするなら、第3問はトータルで考えるとやや難易度が高いでしょう。